<おかえりモネ>脚本家・安達奈緒子も驚いた清原果耶の“顔” 「いてくれたからこそ表現できた物語」



清原果耶さん主演のNHK連続テレビ小説 朝ドラ おかえりモネ 総合、月~土曜午前8時ほか 。今月末の最終回に向けて物語は佳境を迎えようとしているが、脚本家の安達奈緒子さんはどのような心境でいるのか、コメントを発表した。ヒロインの百音を演じた清原さんについて、 物語の中で、まるで実際に5年間を経たかのように、百音の顔が19歳と24歳でまったく違います。どうしたらこんなふうに顔が変わるように演じられるのだろうと思わず画面を見つめてしまいます と驚きを隠せない様子。そんな安達さんが同作を振り返った。

全話を書き終えた今のお気持ちはいかがですか?

 2年以上、 おかえりモネ という作品と向き合ってきたので、多少は解放感のようなものを味わえるのではと想像していましたが、書き終えた今のほうが、時間ができた分、四六時中このドラマのことばかり考えてしまって、 終わった という感覚は今のところまだありません。そんな中で、この作品に携わってくださった方々への敬服のような気持ちがよりいっそう募ってきています。書いている最中は無我夢中ということもあり、物語に没入していましたが、これまでの過程を振り返るようになると、取材でお話をうかがったり、協力をお願いしたりした宮城の方々のお力はもちろんのこと、現場のスタッフや俳優の皆様をはじめ、たくさんの人がこの作品に関わり力を貸してくださったことで、なんとかかんとか作り上げることができたのだと改めて強く感じています。

 皆が限界まで何ができるかを考え、表現してくださった跡が画面にありありと表れていて、本当にみんなすごい、と、私が今一番、この作品のすごみにけおされているような状態です。自分も考え得る限り考え、現時点で提示できるものはこれだ、というものを書いてきたつもりですが、それが携わってくださった方々の 思い や 力 に見合うものだったのかどうか、冷静に考えられるようになるのは、放送が終わってしばらくたってからだろうと思います。

 ヒロインの百音は、清原さんを信じ切って書いていました。そしてやはり演じていただけて本当に良かったと思っています。

 百音は10代にして 当事者でありながら、当事者ではない という難しい立場に立たされた女性です。たった15歳で強烈に抱いてしまった罪悪感を胸に刻みつつ生きねばならない若者の、しかも19歳から24歳という短い期間を演じることは容易ではなかったと思います。大人として成長していく、一番みずみずしくまぶしいくらいに輝いている年ごろを 痛み を伴いながら生きる。しかもその 痛み は他者から見て分かりやすいものではないので、自分の中に抑えこんでしまったりする。それでも出会った人たちと自身を照らし合わせていくことで、 痛み と向き合い昇華させていくさまを、清原さんが緻密に、繊細に表現してくださいました。物語の中で、まるで実際に5年間を経たかのように、百音の顔が19歳と24歳でまったく違います。どうしたらこんなふうに顔が変わるように演じられるのだろうと思わず画面を見つめてしまいます。私はもちろんですが、視聴者の皆さまにとっても、これからもずっと目が離せない存在になっていくだろうと思います。 おかえりモネ は清原果耶さんがいてくれたからこそ表現できた物語です。

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