藤吉夏鈴 の魅力にハマりそう……新米記者トロッコ 私が殺らねば誰がやる!はエンタメ枠を超えた社会風刺が入った1本。オススメです



新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!

監督/小林啓一
殺さない彼と死なない彼女(22)
恋は光(22)

恋は光は名作なのでぜひ観て欲しい
恋愛とは、好きになるとは を描いた1本

出演/
藤吉 夏鈴(ふじよし かりん/櫻坂46)
髙石あかり
久間田琳加(くまだ りんか)
中井 友望(なかい とも)
筧美和子
戸田恵子(特別出演)
石倉三郎(特別出演)
高嶋政宏

まず、想像の斜め上の面白さ…
いや、全てにおいて、映画らしい映画に満ちており、
シナリオ展開も、どんでん返しも、悪役が悪役たるところもふくめて
全てにおいて THEエンタメ映画 というベタ展開であるにも関わらず、
見事なまでに、今のメディア業界に一石を投じるシナリオには
お見事!と言いたくなる。

物語
文学少女の所結衣(藤吉夏鈴)は憧れの作家“緑町このは”が在籍するといわれている名門・私立櫻葉学園高校に入学。
しかし、文芸コンクールを連覇するエリート集団の文芸部には入ることができなかった。

落ち込む結衣に文芸部の部長・西園寺茉莉(久間田琳加)が、正体不明の作家“このは”を見つけ出せば入部を許可するという条件を提示。結衣は、“このは”のインタビュー実績がある学園非公認の新聞部に潜入し、部長のかさね(髙石あかり)と副部長の春菜(中井友望)のもとで新米記者“トロッ子”として活動することになる。

教師たちの不祥事に切り込む新聞部を快く思わない学園の理事長・沼原(髙嶋政宏)に理不尽な圧力をかけられ、新聞部は窮地に立たされてしまう。しかし、結衣は一念発起し元文芸部の松山秋(綱啓永)らと協力して理事長、そして学園の闇に切り込んでいくのだった。

櫻坂46藤吉 夏鈴(ふじよし かりん/櫻坂46)主演映画…ということで、
まあ 若手の演技経験を積ませるための映画…と思っていたら、予想を超える面白さ。

青春物語&学園モノといった 若手俳優が出演するためのエンタメ要素満載でスタートするが、最終的には社会風刺。メディア風刺をピシャリというところはお見事と言える。

この 荒削りとも言える、発展途上感ある演技が見事にマッチしている。
うまくないわけではないのだが、初主演ゆえの固さが、新米記者たる固さとして演出が効いているのだ。

見た目的にも、トップアイドルグループのセンターを務めた女性とは思えないほど、1歩も2歩も引いたような存在感。
主演なのに影が薄い。髙石あかりにすべて持っていかれているように感じるのだが、不思議と彼女から目が離せなくなるし、気づけば藤吉夏鈴の魅力の魔法にかけられたかのように、彼女の存在感が強烈に残っている。

メイクはかなり抑えめのナチュラルメイクで、どこかとっぽい感じがする女の子をうまく演じきっているとも言える。
めちゃくちゃ目を引くかわいい!!!という部分をほぼほぼ封印しつつも、カットカットでアップの表情は、やはりかわいい。めちゃくちゃ好みなのもあって、一気に引き込まれたとも言える。

髙石あかりはやはり上手さにみちみちており、実質主人公ポジションといってもいいほどの存在感。

役どころも新聞部の部長ということもあって、ノリノリ感もあっていい感じ
彼女の演技の巧さが、藤吉夏鈴を引っ張って底上げしたのは明白とも言える。
ベイビーわるきゅーれシリーズでは初演を務め、秋には最新作が上映されるがコメディからシリアスまで一瞬で切り替えられる実力派女優として着実に成長をしているのは間違いないだろう

そして 文芸部部長の西園寺役の久間田琳加(くまだ りんか)
彼女が一番 いい意味で目立っていた。
学生カーストのトップとして、社長令嬢としての雰囲気出しは見事!!!
冒頭からアクセル全開で
「お姉様キャラ」を演じてくれて楽しませてくれる。

忘れてはならないのが高嶋政宏のヴィランポジションらしい、いやらしさ満載の学園理事長っぷり
エンタメ映画でこの手の役をやらせたら、彼以上の存在はいないのではないか!?と思えるほどの演技で楽しませてくれる。

あと短い時間ながらも存在感だしてくれたのが
松山役の綱 啓永(つな けいと)くん
彼が淡々としたなかに持っている熱いものを感じさせる部分は、作品の中でも盛り上げるきっかけの場所でもあるのでいい演技に寄って魅せてくれたといえる。

シナリオは最初にも言った通り、ベタ展開
ベタ展開故に安心して観られるところもある。

全てにおいて予定調和感もあるのだが、それでありながらその雰囲気を覆すのが若手俳優の頑張りでもあり、シナリオのラストに向けて、トロッコちゃんこと所さん(藤吉夏鈴)が演説得をする内容であったりする

今回の映画は新聞部が舞台に放っているものの、彼女が語る
報道とは何をするべきなのか?
はかなり真理をついており、現在の日本メディアの持つ
取り上げる内容のレベルの低さ
報道でありながらも真実性の弱さ
取材力のなさ
記事のボキャブラリーの弱さ

そしてなによりも

報道とはどうあるべきなのか?

を語るシーンに至っては新聞のみならずTVメディア全体が抱える「稚拙さ」に対して
初心を忘れることなかれ
ともいっているように感じられる。

青春学園物語の映画でありながらもエンタメ性を強くしつつ、社会風刺をピリリといれたシナリオと演じきった藤吉夏鈴に拍手を送りたい

面白かった!

Leave a Reply